いい空冷が入りましたよ♪
さて、今回はちょっと珍しい車が入庫しましたのでご紹介します。’97y993カレラSエアロスポーツ。http://www.jingu.co.jp/detail.php?cID=186
この車は走行距離がなんと1300km!久しぶりに新車のようなミントコンディションの993です。懐かしい新車の残り香がする993です。でも満10歳!さすがにタイヤは現代のものに変更されていますが・・・。
この車は、エアロスポーツバージョンというグレードで、前後に純正のエアロが付いて18インチのクラシックホイールが装着されています。内装もスペシャルレザーインテリア(赤の内装でフルレザーインテリアトリム、スポーツシート付)が装備されていたり、ブレーキキャリパーが赤かったりします。まだ慣らし運転が必要なくらいの個体です。
ブレーキキャリパーには新車出荷時に貼ってあるブレンボのシールがまだ残っています。
ちょっとこの車を見ていて思い返していたら私もJINGUに入社して10年目!当時は996が出始めた頃で、まだ店頭には964や993がたくさん有りました。特に993は2?3年落ちのこんな個体がたくさんありました。今や空冷モデルは旧車と呼ばれる始末・・・。
空冷がリタイヤして10年も経過してしまったんですねぇ。この個体は例外ですが、今や空冷ポルシェも程度の良い車を探す事がとても難しくなりました。 993の相場も程度や販売方法の違いで店頭価格の開きが顕著になり、ちょっと前ならば”993価格”が蔓延っていましたが、さすがに程度の悪い車にはお客さんも見向きもしなくなってきたのでしょう。安い車と高い車の値幅が広がって来ました。
また、この個体ではあまり心配ないでしょうが、納車整備でも空冷は水冷と比較して手を施す部位が多いので売り手としては頭痛の種です。でも、完調な空冷は水冷にない魅力を未だ色あせずに持っています。高回転までエンジンに鞭を入れた時に強制冷却ファンが発するジェット機みたいな音や、エンジン各部が温まって来て、だんだんスムーズになっていく独特のフィーリングとかはアナログな空冷エンジンだけが持ち得る魅力なんです。
また、整備した分(投資した分)、ちゃんと体感が出来る空冷。現代の車は電子制御の恩恵で日常整備のウエイトが少なくなってきました。電子制御が機械的な不調を有る程度カバーしてくれるようになりました。要するに乗り手が常に車の調子に神経を使わなくても済むようになりました。逆にいうと特別な感じが少なくなるのでしょうか?
近年のパワー競争は過激な様相ですが、2WDのFRで500psや600psをスリックタイヤも履かずにきちんと路面に伝えられますか?もちろんまたまた登場のESPやABCなんかのシャシーの電子制御でコントロールするのかもしれませんが、本当にフルパワーを生かし切っているのでしょうかねぇ。
また基本に立ち返って空冷に乗ってみると面白いと思いますよ。まだまだ当社には程度の良い空冷がたくさん有りますよ。<管理人Y>