Vol.30 Autumn 2025「秋のツーリング 蓼科高原」

11月9日の秋のガレージ神宮ツーリングは、蓼科高原へ。
11月の蓼科は、鮮やかな紅葉の喧騒が過ぎ去り、冬の訪れを静かに待つ、1年で最も落ち着いた景色が堪能できるシーズン。雪が積もる冬支度前に、蓼科高原の自然風景を愛車とともに一緒に楽しみましょう。
ガレージ神宮コラムは、当社の販売車両のメイン車種であり、多くのお客様が乗っていらっしゃるポルシェを中心に書いていますが、今回は趣を変え、ポルシェのライバルとも言える他のスポーツカーにも着目してみます。
例えば、国産メーカーのレクサスRCシリーズやLC、そしてニッサンGT-Rなど。これらは、エクステリアのカッコよさに加え、美しさを備え、さらに高い動力性能を誇る魅力溢れるモデルたちです。中でも、ニッサンGT-Rは特筆すべき存在。最近生産終了のニュースが届きましたが、かつてドイツのニュルブルクリンクを舞台にポルシェとタイムアタックでの真っ向勝負を繰り広げたのは、いち日本人として、誇らしい気持ちとなったものです。もっとも、ポルシェからニッサンに非公式に文句を付けたハイグリップタイヤ装着騒動などは、今となっては懐かしいエピソードのひとつとなっています。もちろん、このニュルタイムアタックの結果は絶対的なスポーツカー界のキングであるポルシェに軍配が上がったことは記しておきたいと思います。ちなみに、そのGT-Rを叩きのめしたモデルは、997GT2RSでした。まさにモンスターと呼ぶにふさわしい性能で、公道を走るナンバー付き車両の範囲を超えているほどでした。
そういったスペシャル国産スポーツの対極にあるのが、ライトウェイト国産スポーツ。マツダのロードスターやホンダのS660などがそれです。オープンエアを楽しみ、軽量で軽快な走りをエンジョイできるのが大きな魅力です。
さらに輸入車に話を広げれば、破格に魅力ある個性派スポーツカーは多数存在しますし、予算に糸目を付けなければ、パガーニ・アウトモビリやブガッティなどの個性派なスーパースポーツも存在します。

どこの国の自動車メーカーであれ、スポーツカーを走らせれば高揚感で満たされ、楽しくドライブできるクルマがほとんどです。が、ここで面白いのがポルシェ以外のスポーツカーに乗る機会を得ると、ポルシェ911の「運転の楽しさ」に改めて気づかせてくれること。60年に渡って基本レイアウトを変えず、進化を続けているポルシェ911のよさがジワジワと伝わってくるのです。それは、なにもGTグレードではなく、ベーシックグレードのカレラで十分感じます。見た目の派手さはなく、目を見張るような動力性能ではなくとも、五感で味わう運転の楽しさは他のスポーツカーよりバランスが取れ、秀でていると感じさせてくれるでしょう。
今回のツーリング、他のスポーツカーで参加されてみると、もしかしたら新たな喜びを見出せるかもしれません。