Vol.9 December 2014「ポルシェが誇る、軽量コーナーリングマシンへの誘い」
〜PORSCHE CAYMAN/BOXSTER〜
70年代から90年代には直4やV8を積むフロントエンジンモデルも手がけたポルシェ。
しかし、現在のラインナップは911を核としボクサーユニットを積む伝統のリアエンジンモデルとケイマン・ボクスターの成功を支えたミッドシップモデルが中心である。918スパイダーの心臓はボクサーではなくV8+モーターだが、エンジンの配置はこのモデルもミッドシップだ。
そうしたこだわりはポルシェのルーツである356の時代から、現代のモデルにまで連綿と引き継がれてきたもの。356のDNAを継承するのが911だとすれば、往年のレーシングマシンである550スパイダーや904GTS、917の熱い血が脈々と流れているのがボクスターやケイマンである。
特に、前後の重量バランスに優れたミッドシップの利点と言えば、俊敏性とコーナーリング。その性能を存分に発揮するケイマン・ボクスターは峠道では水を得た魚のようだ。ドライバーとパッセンジャーがダイレクトに風や自然との一体感を感じられるオープンスポーツのボクスターか、剛性を高めたクローズドモデルのケイマンか、その選択も次代のポルシェを手に入れる上で楽しい迷走を約束する。